~事例で解説！労働時間に含まれるもの・含まれないもの~港区・新橋の社会保険労務士なら社会保険労務士法人OMNIA Consulting | 渋谷で社会保険労務士なら社会保険労務士法人OMNIA Consulting | ブログ

制服や作業着の着用が任意（労働者が自主的に着替えをしている）であったり、自宅から制服や作業着を着用していくことが認められているような場合、着替えの時間は労働時間には該当しません。

例えば、「通勤時は動きやすいジャージを着用し、職場でスーツに着替えている」ような場合は、使用者から義務付けられているとは言えないため、労働時間とはみなされません。

使用者から義務付けられ、または着替えをすることを余儀なくされたときは、労働時間とみなされます。労働者の安全面・衛生面から制服や作業服に着替えることが必要とされる場合や、就業規則に、業務中の制服や作業服の着用を義務付ける旨が記載されている場合、着替えの場所を事業所の更衣室に指定されている場合等が、このケースに該当すると考えられます。

例えば、「仕事の性質上、清潔さを保つ必要のある看護師が、病院内の更衣室での着替えを指示されている」ような場合は、労働時間とみなされると考えられます。

それでは、労働者が自発的に残業した場合はどうでしょうか？

会社の指示によるものでない、自発的な残業は、原則として労働時間には含まれません。

労働者が自発的にした残業でも、使用者の黙示的な指示があったといえる場合は、労働時間とみなされます。所定労働時間内に処理しきれない程の業務量を課している場合や、長時間労働の事実を認識しながら、放置していた場合等が当てはまります。 

自発的な残業を防ぐためには、使用者が残業を禁止するだけでなく、労働時間を適切に把握し、残業が不要であると判断した場合は帰宅命令を出す等の対応が必要になります。

出張に伴う移動時間は、単に目的地に移動するために電車やバスに乗っている場合、原則として労働時間とみなされません。

出張に伴う移動時間でも、業務に用いる物品等を運びながら出張先に移動した場合は、労働時間とみなされる可能性が高まります。その物品の運搬自体が移動の目的の１つとされ、運搬において十分な注意義務を負わされているため、使用者の指揮命令下に置かれている時間とみなされるのです。

今回は、争点になりやすいトピックについて、労働時間と認められる例・認められない例をご紹介しました。労働時間か否かは、一様に決まっているわけではありませんので、個々のケースで判断する必要があります。

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